新規開業or継承での開業、どちらがいいのか?

開業希望の先生との始めての面談で、「新規で開業した方がいいのか?継承での開業がいいのか?」とのご相談を頂きました。 
このご相談に対しては、どちらが良いとは一概に申し上げることはできないと思います。 
やはり具体的な物件・条件を徹底的に比較して、それぞれ具体的にメリット・デメリットを認識した上での判断になると考えます。

それでもあえて一般的な事例でそれぞれのメリット・デメリットを申し上げますと・・・
新規開業のメリット
・ 自由に選んだ場所・希望通りの建物で開業ができる
・ 新しい建物・器械、スタッフで医院開業がスタートできる
新規開業のデメリット
・ 初期投資の金額が継承での開業と比べて多額になる
・ 経営が軌道にのるまでに時間を要することが考えられる
継承での開業のメリット
・ 比較的ローコストでの医院開業が可能
・ 開業当初から安定した経営が期待できる可能性が高い
継承での開業のデメリット
・ 物件・開業時期等の選択の自由度が狭められる
・ 前経営者から施設・患者さんを引き継ぐので、自分の思い通りの医療に対して制約ができる場合がある

多種多様なメリット・デメリットがあるので上記の分はほんの一例ですが、新規開業のメリットと継承での開業のデメリット・継承での開業のメリットと新規開業のデメリットが相反するように感じられます。

実際には、タイミングよく、よっぽどいい状態の継承物件があれば、継承物件での開業に至る場合がありますが、なかなかうまくはいかないようで、新規での医院開業が割合的には多いようです。

ただし、今後は新規開業の適地が少なくなると考えられることや、投資金額や開業後の経営を考えた場合に継承物件に有利な点があること、一方で継承物件自体が多くなってくると考えられること、最後に診療所は「公共財」なので医院継承をすることは社会的な意義を見出せることなどを考えますと、「タイミングよく、よっぽどいい状態の継承物件があれば」ですが、継承物件の方にメリットがあるような気がしております。

しかし、実際に開業をし、そこで診療をされるのは開業をされた先生ご自身ですので、コンサルタントとして一般的な・客観的なことは申し上げますが、やはり各先生の医院開業に対する考え方しだいになると思われます。

「新規で開業した方がいいのか?継承での開業がいいのか?」・・・明確にお答えできませんが、上記のように考えております。

医療機器の選定について思うこと

本日は、医療機器の打合せをして参りました。

医療機器に関しましては数多くの見積もりを目にするのですが、毎回かなりの金額差があることにびっくりさせられます。
当然、私の立場はコンサルティングを請け負っておりますクライアントである先生の代理人として、希望されるものを極力安く買っていただくことが目的なので、過去の価格実績なども頭に入れつつ話を進めて行きます。

しかし不動産契約や建築・内装等のコストにつきましてはこれまでの経験や相場等で判断ができるのですが、こと医療機器については見積金額から御値引き金額を差し引くと一桁も変わっている!!という世界なので、最初の見積金額の意味がわかりませんし、はたして自分が先生に対して一番安い金額での提示を導き出せているのか?自信を持てない部分もあります。

医療機器については殆どの場合がリース等を利用しての導入ですので月々の支払いということになりますが、導入費用総額としては数千万にもなるものです。ここでも交渉のやり方によっては、私どもがいただくコンサルティング料以上のコストダウンが可能なこともあります。

これまでの実績や対応等でおつきあいをしている医療機器卸の会社も数社ありますが、ここでは先生方の人脈も活用させていただきながら対応している部分です。

本日も先生のお付き合いのあった卸会社の方からのご提案でしたが、これから内容をじっくり確認をしていきたいと思います。

不動産賃貸借契約の具体的なチェックポイント

賃料や入居時期等の条件が決まったら、晴れて契約・・・といきたいところですが、ここで医療機関として契約前(検討中や条件の交渉と平行して)にチェックするべきポイントがあります。
検討している物件が、すでに建っている場合は、しっかりと内覧をさせてもらいましょう。
医療機関として借りる訳ですから患者さんが入りやすいアプローチになっているかどうかは、高齢者の多い内科・整形外科には特に重要なポイントになると思います。
具体的には、1階であれば外からその建物に入るまでに段差がないかどうか。車椅子でも楽に入れるようスロープや必要な開口があるか。上層階であれば、それらに加えてエレベータまでのアプローチとエレベータ自体の広さにも配慮が必要です。

その他には
・ 給排水設備関係
床上げなどの段差がなくレイアウトができるかどうか。
医療機関には複数の給排水の設備が必要となります。この設備が無い場合には、20〜30cmの床上げが必要になる場合もありますので、注意が必要です。
・ 電気設備関係
X線機器の導入を予定している場合、通常の店舗では使用しない規模の電力量が必要となります。医療ビルで募集している建物でも設計会社が医療機関の必要容量を把握していないケースも少なくありません。ビル全体の電力量ではなく、電灯・空調・医療機器を全て考慮して、そのテナントでどれだけ使えるのかを明確にしてご判断下さい。容量が足りなかったりすると、その増設に多額の資金が必要になるケースもあります。
・ 機器関係
X線やCT、MRI等は重量もありますので、上の階の時には特に気を付けなければなりません。また搬入経路のスペースも考慮しておかなければ、最悪の場合外壁を壊して搬入口を確保し、搬入後外壁を作り直すという事態にもなりかねません。

このような項目を契約前にチェックする必要がありますが、電気や給排水の設備面のチェックは、専門家が同席した上で行うことをお勧めします。というのも、現地の内覧を案内するのは仲介として入る不動産業者であり、当然のことながら、設備の専門家ではありません。
こうして、物件の現状把握できたところで、もし設備面での追加工事が必要だと判明した場合は、「誰が」、「いくら払うのか」を明確にしておいて下さい。契約前に条件を明確にすることが、何よりのトラブル回避の方法です。
最後に将来的に出る時の事も考えて、退出の際は原状回復が原則ですので、写真や図面なども残しておきたいところです。

不動産の賃貸借契約を締結後の契約解除は、原則として払い込んだ保証金は返還されません。不動産賃貸借契約においては条件はもとより、医院として充分活用できる物件であることを確認した上で契約をするようにしてください。


不動産賃貸借契約の具体的なチェックポイント

不動産の賃貸借契約にあたっては、保証金(敷金)、賃料、更新料等のほかに、共益費や管理費というものがあります。共益費・管理費につきましては、相場や近隣の状況等と比較して極端な差異がなければ、値引きの交渉はしない方がいいと考えています。
先日から書いておりますとおり、賃貸借契約については契約してからが永いお付き合いの始まりとなります。実際の入居後、医院開業後に供用部分の清掃が不十分だったり照明が切れたり等、なんらかの不備が発生した場合、共益費をしっかり払っている事実があれば貸主や管理会社に対しても強く発言ができますし、エレベーターの保守点検や雨漏り等のビルのメンテナンスなどの費用はこの部分から当てられますので、長く借りる可能性が高い医療機関としては、できるだけ清潔で不備のない建物が望まれるからです。
但し、中には賃料の割りには共益費が異常に高かったり、共益費自体が高かったりする物件も多くありますので、その場合は金額の根拠を確認した上で、冷静に交渉する必要があると思われます。

もうひとつ、実際に契約をするに当たり今後のお付き合いも考えた上で留意いただきたいことは、交渉事は極力少ない回数、できれば1〜2回で済ませるようしたいと思います。
賃料の値下げ交渉がうまくいったので、次は保証金、その次は契約期間といったように小出しにしていけば、相手方である貸主も次は何を言ってくるか解らない中で不信感を持ちますし、契約が成約したとしても、なんらかのシコリが残ってしまう可能性があるからです。
目標としては、申込書を提出して、契約書の雛形を見せてもらい、そこで、貸主の状況や性格、近隣の相場・状況等を調べた上でこちらの要望を提出し、その返答で借りるかどうかを決定する、という流れが一番ベターだと考えられます。

不動産賃貸借契約の具体的なチェックポイント

賃貸借契約のチェックポイント4回目です。しつこいようで申し訳ないですがお付き合いください。契約更新時に「更新料」が契約書に書かれている場合ですが、この場合につきましては、契約期間を延ばす交渉をするようにしております。通常のテナントの場合、契約期間は2年か3年、ないし5年程度で設定されているケースが多いようです。そして契約の更新時には賃料の1ヶ月分の更新料が必要です、といった契約書があります。  医療機関の場合、内装や医療機器にかけた投資額を考えた場合やはり10年、20年と継続して借り続ける事が前提だと思われます。ここで2年毎に契約を更新しその都度「更新料」を請求されることを考えますと、賃料が毎月50万円のテナントを10年間借りた場合、「更新料」は50万円×4回=200万円も経費がかかります。これを毎月の賃料に換算すると200万円÷10年÷12ヶ月≒16,666円もかかっていることになるのです。そこで契約期間を延ばすために「将来的に医療法人化を計画しており、その場合は管轄官庁より安定した医療を提供できる施設であるために不動産の賃貸借契約については10年以上でなければならない、という指導がありますし、個人的にも長くお借りしたいという希望があります。」といったトークで、契約期間を長くするように交渉をします。(実際は契約書に明文化する必要まではないのですが・・・)更新料のない物件については、勿論必要のない交渉ですが、「更新料」ひとつをとってみても固定費の削減に努力しなければなりません。
契約期間を長くすることにより、契約期間の中途で解約をする事態が発生するリスクが高まりますが、これについてですが、契約期間が長くても短くても予告期間が変わる事はないでしょうから、あまり気にする必要もないかと考えられます。この予告期間も何らかの突発的な事情で閉院しなければならなくなった時の事を考えると短くしてもらうに越した事はありません。                                             また、最近は契約期間が15年以上などの定期借家契約を設定している物件もありますので注意が必要です。

不動産賃貸借契約書については「借りる方より貸す方を保護する為の契約」との前提で、入念にチェックするべきと考えております。